今回のサーバ構築にあたり、いろいろと実現してみたいことがあります。
そのテスト環境として手元で空いている開発用のサーバを使って Windows Server 2016 評価版を使って実験することにしました。
私の勤める会社では年間のスポット業務のためのサーバがあり、プロジェクト期間以外はテストや開発に使われていたり、一部は使われていなかったりもするので、今回はこれらのサーバを使ってテストします。
実験環境のサーバ構成
1. ドメインコントローラー
ドメインコントローラは200名程度までであればあまりスペックにこだわる必要もないのかなと思います。
実環境ではハードウエアRAID(DELLのH330あたり)を想定しますが、テスト機は標準のソフトウエアRAIDを使います。
(というか、開発テスト機には RAID コントローラーをつけていないので)
【サーバ本体】DELL PowerEdge R230
【シャーシ】 3.5" HDD 2台
【CPU】 Intel Xon E3-1220 v5 3.0GHz 8M 4C/4T
【メモリ】 2133MT/s UDIMMs 8GB
【RAID】 RAID1、PERC S130
【HDD】 2TB SATA, 3.5", 7.2K RPM, 6Gbps *2
【ネットワーク】 オンボード LOM 1GBE
【OS】 Windows 2016 Standard(評価版RS1を使用)
2. ファイルサーバー
ファイルサーバも開発用を使っているのでほぼ同じ構成です。
ふだんは Linux のテスト環境に使っているサーバです。
【サーバ本体】DELL PowerEdge R230
【シャーシ】 3.5" HDD 2台
【CPU】 Intel Xon E3-1220 v5 3.0GHz 8M 4C/4T
【メモリ】 2133MT/s UDIMMs 8GB
【RAID】 RAID1、PERC S130
【HDD】 4TB SATA, 3.5", 7.2K RPM, 6Gbps *2
【ネットワーク】 オンボード LOM 1GBE
【OS】 Windows 2016 Standard(評価版RS1を使用)
とりあえずこの2台を使って仮のサーバ構築を行います。
Windows Server 2016 評価版では Datacenter エディションを使うこともできます。
今回は今後構築する実環境に合わせて、Standard エディションで構築・テストします。
ドライバパックの更新
DELL の PowerEdge への OS インストールは Lifecycle Controller を使います。
今回のハードウエアは購入時期の関係でそのままでは Windows Server 2016 をインストールできません。(Lifecycle Controller でインストール OS リストに表示されない)
このため、まず初めに Lifecycle Contoroller (ドライバパック含む)を更新することにします。
DELL EMC Server Update Utility のダウンロード
DELLのサポートから PowerEdge R230 のドライバダウンロードページに行き、必要なソフトウエアをダウンロードします。
ダウンロードしたデータはいったんローカルの PC に保存しておきます。
DELL PowerEdge R230のサポートページ
http://www.dell.com/support/home/jp/ja/jpbsd1/product-support/product/poweredge-r230/drivers
次のファイルをダウンロードします。
・DELL EMC Server Update Utility, Windows 64 bit Format, v.XX.XX.XX
(XX.XX.XX はバージョン番号、この記事時点では v.17.04.00)
・DELL EMC Driver Pack For Windows OS, v.XX.XX.XX
(XX.XX.XX はバージョン番号、この記事時点では v.17.04.00)
ダウンロードした ISO ファイルの内容を USB メモリに保存します。
Windows 10 であれば ISO をダブルクリックすると ISO ファイルの内容が参照できますので(zipファイルみたいな感じ)、それを USB メモリにコピーします。
Windows Server の ISO ファイル入手
インストールに必要な ISO ファイルは Microsoft TechNet Evaluation Center からダウンロードできます。
今回は PowerEdge R230 で当初からサポートされている Windows Server 2016 の最新版 ISO をダウンロードします。
こちらもいったんローカルの PC などに保存します。
Windows TechNet Evaluation Center - Windows
https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/evaluate-windows-server-2016
こちらは ISO ファイルを右クリック「ディスクイメージの書き込み」機能を使って DVD に焼いておきます。
ファイルサイズが大きいため、今回は DVD+R DL(二層)8.5GB のディスクに焼いています。
ファームウエアのアップデート
あらかじめ先に作成した DELL Driver Pack の USB メモリを背面の USB ポートに挿しておきます。
起動時 F10 キーで Lifecycle Contorller を起動します。
初回起動の場合は Initial Setup Wizerd が起動します。
〇Step 1 of 5: Language and Keyboard Selection
Langage は「日本語」
Keyboard Type は「Japanese」
「Next」をクリック
※この設定以降は表示が日本語に変わります。
〇手順 5 の 2:製品 概要
そのまま「次へ」
〇手順 5 の 3:Lifecycle Controller のネットワーク設定
・NIC カード:デフォルトの Broadcom NetXtreme Gigabit Ethernet (Embedded NIC 1)
・IPv4 ネットワーク設定
(デフォルトのまま)「設定なし」
・IPv6 ネットワーク設定
(デフォルトのまま)「設定なし」
「次へ」をクリック
※「IPv4ネットワーク設定を保存できません」というエラーは無視する(「OK」をクリック)
※「IPv6ネットワーク設定を保存できません」というエラーは無視する(「OK」をクリック)
〇手順 5 の 4:iDRAC ネットワークおよび資格情報の設定
・IPv4 設定
(デフォルトのまま)
資格情報
・アカウントユーザー名: root
・パスワード: 任意のパスワードを設定します。
「次へ」をクリック
警告ウインドウの「設定変更を保存しますか」は「はい」
〇手順 5 の 5:概要
表示されている内容を確認して(といっても何もすることがない)「終了」をクリック
再度 Lifecycle Controller 画面に戻ります。
左のメニューから「ファームウエアアップデート」を選択
まずは「現行バージョンの表示」をして内容を控えます。
・BIOS
・Broadcon Gigabit Ethernet BCM5720
・Broadcon Gigabit Ethernet BCM5720
・Dell 32 Bit uEFI Diagnostics
・Dell OS Driver Pack
・Integrated Dell Remote Access Controller
・Lifecycle Controller
・OS COLLECTOR
・System CPLD
前の画面に戻り「ファームウエアアップデートの起動」を選択
〇手順 3 の 1:アップデートリポジトリの選択では「ローカルドライブ (CD/DVD/USB)
「次へ」をクリック
〇手順 3 の 2:アクセス詳細の入力
・ローカルドライブから USB を選択(あらかじめ挿しておいた USB が認識される)
「次へ」をクリック
ディスクのイメージ検証が行われます。
〇手順 3 の 3:アップデートの選択
使用可能なシステムアップデートでダウンロードした ISO ファイルのバージョン番号が表示されていることを確認して「適用」をクリック
Lifecycle Controller の画面に戻るので再度「ファームウエアアップデート」の画面から Dell OS Driver Pack が新しいバージョンに更新されているかを確認します。
次いで、USB メモリ を DELL EMC Server Update Utility に差し替えて再度「ファームエアアップデート」を選択します。
同じような感じで進みますので、「手順 3 の 3:アップデートの選択」で次のものにチェックをつけて進みます。
コンポーネント
・Dell 32 Bit uEFI Diagnostics, version
・BIOS
・Integrated Dell Remote Access Controller
「適用」をクリック
これでファームウエアのアップデートは完了です。
Windows Server 2016 のインストール
DELL のサーバでの Lifecycle Controller を使ったインストール方法は DELL のサイトに詳細が載っています。
DELL Knowledge Base - 第13世代のPowerEdgeシリーズにおけるOSインストール手順
http://www.dell.com/support/article/us/en/19/SLN299524/第13世代のpoweredgeシリーズにおけるosインストール手順?lang=JA
今回、なぜかインストール DVD を認識されず進みませんでした。
しかたがないので再起動して「F11」キーで Lifecycle Controller を使わずに直接 DVD から起動してインストールを試みました。
途中、S130 のドライバがないためインストール先のディスクが表示されませんでしたが、DELL のサポートサイトにある
・・Windows Server 2016 64bit driver for PERC S130 Controller
をダウンロードして強制的にインストールしてみたところ何とか Windows Server 2016 が入りました。
ちなみに、この S130 のドライバは
管理者権限のあるPCでダウンロードしたファイルをダブルクリック し、「Extract」をクリック(間違って「Install」をクリックしない)
任意のフォルダ(私は C:\temp\PERCS130を作成)に展開しておきます。
インストールプロセスで「ドライバーの読み込み」ー「参照」で USB ドライブ(たぶん C:)ー PERCS130\payload\win2016 を選択して「OK」でインストールできます。
実はこの後もう一度 Lifecycle Controller でインストールを再度最初から試みたら今度は DVD が認識されちゃったんです... なんでだろう?
Windows の CD が起動した後は
1. インストールする言語の選択画面
デフォルトで進めます。
2. 「今すぐインストール」を選択
3. エディションの選択では「Windows Server 2016 Standard Evaluation (デスクトップ エクスペリエンス)」
4. ライセンス条項は「同意します」にチェック
5. インストールの種類を選んでくださいでは「カスタム:Windows のみをインストールする(詳細設定)」
6. ※重要※既存のシステムと共存の場合はこのオプションは注意してください。あくまでもデータがないハードウエアもしくは、すべてのデータが消えても良いハードウエアである前提です。
Windowsのインストール場所を選んでくださいではいったんすべてのドライブを「削除」して、「ドライブ 1 の割り当てられていない領域」だけにしてから「次へ」
7. Windows Server のインストールが始まります。
8. インストール中に再起動が行われ、初回起動します。
9. 管理者(Administrator)パスワードの設定
ユーザー名 Administrator のパスワードを設定します。複雑かつ忘れないものを入れます。
10. サインイン
Windows 10 にそっくりの画面が表示されるので、先ほど設定したパスワードでサインインします。
以上でインストール自体は完了です。
運用系のサーバであれば細かな設定をしていきますが、今回は PowerEdge R230 の Lifecycle Controller 周りを更新するためだけなのでとりあえず開いたウインドウはそのまま閉じるかデフォルト値で設定しておきます。
長くなったので続きは次回。