2017年8月2日水曜日

Windows 2016 でサーバ構築

Windows 2016 がやってきた

社内で Windows 2016 のサーバを購入することになったので、その構築メモ。
今回の全体像はこんな感じです。

  1. Windows Server 2008、Windows Server 2012 R2 で乱立しているサーバを整理
  2. Active Directory の刷新
  3. BCPを想定した二重化

1. Windows Server の役割見直し

今回の導入にあたり、まず最初に着手したことが、既存のサーバ群の役割整理です。
ドメインコントローラー、ファイルサーバはともかく、各種アプリケーションがいろいろなサーバ上で乱立して動いています。今後は仮想化サーバーで集約する予定のため、継ぎ足しで構築されてきた環境を整理して、安定した運用を見据えて再設計します。


2. Active Directory の刷新

現行の AD は会社がそれほど大きくなかった時点で設計したので、細かな ACL よりは使い勝手を優先しています。
利用者は増える一方、クライアントからのセキュリティ要件が厳しくなる一方なので、その背景に見合ったグループポリシー管理を行うため、Active Directory を再設計します。


3. BCP を想定した二重化

現行のシステムは遠隔地拠点との間で Active Directory のバックアップ運用だけは行っています。また、各種データはクラウド上へバックアップを取っています。
しかし、現状では障害発生時の復旧に時間がかかることが予想されますし、そもそも手順が多すぎます。
もっとユーザレベルでの意識もなく、罹災時にも迅速な復旧ができることを想定して構築する必要性が高まっていました。



今回の構築要件

  • なるべく社内のリソースと技術力で構成する
  • 想定ユーザ数は最大200名前後(平均的には100名以内)
  • 社内LAN内に設置(オンプレミス)
  • メインとバックアップはそれぞれ別拠点でVPN接続
  • 19インチラックマウント型
  • ADサーバは耐障害性をある程度担保、ファイルサーバはスピードと耐障害性をできる限り両立する。

今回のサーバ構成

1. ドメインコントローラー

ドメインコントローラーは Windows 2016 で刷新します。ドメインコントローラーに障害が発生すると社内ネットワークへ一切のアクセスができなくなることもあるため、最低の2台構成です。
ハードウエア自体はデータが消えてしまうと困るのですが、二重化していますし、他の役割を兼務させないので予算との兼ね合いで最低限のスペックで構築します。
今回は DELL PowerEdge R230 を選びました。
電源の冗長性が無いので故障時に停止する必要がありますが、その時は二重化されたドメインコントローラー側にアクセスされるので、どちらかというとコスト重視です。

メイン側は 10,000RPM の SAS HDD で PERC H330 による RAID 1+1(RAID 1の2セット)、サブ側は SATA 1TB で PERC S130 のソフトウエアRAID1です。
予算があればメインとサブは同じ構成がいいと思いますが、今回は検証用でも使ったハードウエアをそのまま本番運用に昇格します。

おおむね200名程度であれば1CPU程度のサーバであれば十分なパフォーマンスが得られるといわれています。

個人的にはうちのような小規模企業レベルであれば、ドメインコントローラーは本社にオンプレミスでサーバ機を1台、バックアップ用として既存の適当なサーバ上で Hyper-V を動かして1台、または余っているPCを専用に流用して1台でも良いかなと。

ふだんアクセスさせないのであればあまりパフォーマンスを意識する必要がありません。PC流用の場合は電源等の信頼性を考慮して夜間は電源切っておいたほうが良いですが、そんな運用ができるのであれば、無理してサーバ機を2台そろえる必要もないのかなと。
(あくまでもバックアップ用途なので、クライアント側からはアクセスさせない。メイン機が完全に故障したときのみアクセスさせる程度で考えています)


2. ファイルサーバー

ファイルサーバはスピードと安定性、コストの兼ね合いから 10K RPM の SAS ドライブで構築します。15K RPMやSSDは魅力ですがまだまだ容量と価格のバランスが(小規模企業には)厳しいので。スピードと容量、安全性を考慮して、今回はディスク6つをRAID 6で運用します。比較的アクセス頻度の高いものをこちらに集約し、アクセス頻度の低いものや部門単独で利用するものは別サーバに分けます。

ディスクの信頼性やスピードについては一般的には SAS > SATA であるといわれていますが、運用の仕方次第でその差を低くできます。
SAS 15K RPM の RAID 1 より、SATA 5400RPM を10台使った RAID10 のほうが(コントローラ等がまともであれば)早いですし、重要なデータを運用するサーバでホットスペア無しで RAID 5 なんて怖いですし。

逆にファイルサーバではメモリやCPUのスペックについてはそれほど不要という意見がありますが、余裕のあるメモリはキャッシュに使われるということもあり、32GB程度積んでおきます。メモリは予算内で詰めるだけ積んでおいたほうがいいですね。
購入や長期リースの場合は、近い将来にファイルサーバを増強・入替なんかが生じた際に、別の用途に流用できる可能性もありますので。
大規模企業や官公庁であれば途中で計画が変わることはほぼ無いと思うのですが、小規模から中小企業レベルであれば3年先に同じサーバで十分な状況は望ましくないですから。

また、集中してアクセスされるサーバであることから、将来性も考慮してネットワークアダプタをインテル 10Gbps のものを増強します。(当面は 1Gbps で運用)


3. ファイルバックアップサーバ

ファイルサーバのバックアップ側です。
予算があればメインと同一の構成にしてミラーしておけば良いですが、コストの問題もあるので、こちらは SATA のディスク中心に構築しています。

故障時には一時的にではあってもメインに格上げされるサーバなので、メインのサーバよりちょっと下のスペックくらいにしておくと万全です。
今回は予算の関係もあり、こちらもテストで使っていたサーバのディスクを入れ替えて流用することにします。

運用イメージとしては本当に最低限の運用ができるように、という感じです。



おおむね上記のような構成で社内ネットワークを作っていきます。

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