2017年8月3日木曜日

RAID 6 か RAID 10 か、ファイルサーバはどちらにする?

ファイルサーバにはどんなRAIDが適切か


ファイルサーバを構築するにあたってストレージをどうするかという点について考察てみたいと思います。

HCI を当たり前のように組める中堅企業以上であればいざ知らず、小規模から中小企業あたりであればファイルサーバにRAIDコントローラーを挿してHDD複数台でRAID運用、というケースが割と多いのではないかと思います。

故障や復旧の手間、コストなど全体的なバランスから最近ではRAID 6もしくはRAID 10あたりが良く使われているようです。

RAIDについては素晴らしい解説がされているブログなどもあり、ここでは細かいところに踏み込みませんが、今回自社に導入するにあたりかなり悩んだためその経過をメモしておこうかと。

そもそもなんでRAIDにするかといえば

「ディスクの故障を前提とした耐障害性」+「パフォーマンス向上」

を意図しているわけで。

RAIDが世に出た当初の目的からすれば、あまり高価でないディスクでも耐障害性を高めたいということなので、特に前者を意識してしまうのですが、数十人以上が同時アクセスするファイルサーバですからパフォーマンスもアップしたいところです。

RAID 6 はパリティ生成による書き込みパフォーマンスの低下が指摘されてる一方で、ストライピングによる読み込みパフォーマンスの向上が期待されるため、どちらかというと読み込みが多いシーンでは有利です。耐障害性も計算上ではRAID 10より高いですが、リビルド負荷が大きいのでリビルド中は全体のパフォーマンスが下がってしまうなど、ふだんはいいけれど復旧時が大変という印象。

RAID 10は書き込みはシンプルなためランダムアクセスでも速度が低下しにくく、というかむしろディスクを増やすごとにストライピングのメリットも効いてくるためRAID 6より有利です。逆にディスク台数が6台くらいまでであれば4台でストライピングされるRAID 6のほうが3台でストライピングされるRAID 10より読み込みが有利なのではないかということは理解できます。


ファイルサーバにどちらを採用するかという点で非常に悩みました。
今回使っている DELL PERCH730 は意外とRAID 6が速いという情報もあり、もともと容量小さいSASディスクを有効活用しようとするとRAID 6に気持ちが揺れます。

一方でファイルサーバとして複数が同時アクセスし続けるハードウエアのため、少しでもパフォーマンスが高いほうがありがたいというのもあります。それほど大きくないExcelファイルなどへのアクセスがほとんどで、ランダムRead、ランダムWriteがほとんどであると考えるとRAID 10のほうが実用環境で有利な感じがします。

故障時のディスク交換、リビルドに関してもRAID 10のほうがリビルド中の負荷が少なく、ホットスワップのメリットが活かしやすい。

思い悩んだ結論としては、やっぱりRAID 10かなと。
容量についてはあまりアクセス頻度が高くないデータはアーカイブ中心の別ファイルサーバに逃がすとして、比較的頻度が高いデータに絞れば数TBでも足りそうです。
(動画や巨大な画像等は使わない業種のため)

耐障害性としては同じグループのドライブ(3台)が同時にすべて故障するというかなりのレアケースでない限りはデータロスすることは無いので、実運用上問題なさそうです。リビルド負荷も低そうですし。

アーカイブ中心のファイルは別途SATAの大容量ディスクでRAID 1を組んだサーバに入れておきます。こちらはアクセス負荷が少ないのでパフォーマンスはあまり意識しなくても良いのでWesterm Digital の RED といった回転数抑え目ディスクで十分です。


今回のファイルサーバ構成
・起動用ドライブ HDD 2台の RAID 1 構成
・データ用ドライブ HDD 6台の RAID 10 構成
の2仮想ドライブにしてみました。

ついでにアーカイブを中心としたファイルサーバを併用しました。
アーカイブ用ファイルサーバの構成
・ドライブは SATA HDD 2 台の RAID 1 構成
・OSドライブとデータドライブはパーティションを分けて運用
といった1仮想をソフトウエアRAIDで組みます。


RAID を運用するにあたって


RAID 運用をしている多くの人は故障時のことをあまり意識していないと思います。
まぁ、通常のリース期間ではRAID1以上を組んでいると意外とデータロスする確率が低いのでしょうが...

結局HDDが故障しても気が付かなくて、RAIDの冗長性が無くなった後にもう一台壊れて気づくなんてことであれば、初めからRAIDを組まなかったケースと比べて単にオシャカになるまでの時間が伸びただけです。(それはそれでメリットありますが)

RAIDを運用し始めたら故障時の交換を意識して運用すべきだと強く思います。
できれば運用開始前に一度意図的に1つディスクを引っこ抜いて、違うディスクで正常にリビルドできるかくらいを確かめたいところです。

HDDの故障だけを想定して4時間対応などの高い保守に入るくらいであれば、1本余計にディスクを買っておくのもありです。
SAS 2.5インチの容量大き目(1TB以上)あたりだとなかなか入手が困難だったりもしますので、多少高めでもメーカー純正品を手配しておくか、ディスク構成を見直してホットスペアにしておくことも要検討です。

私はいまのところ毎晩差分バックアップを取っておいて、障害発生時にはいったん直近の差分データを取ったうえでメーカー保守待ちという体制です。
当日午前1時に取得したバックアップからの差分だけであればそれほど時間がかからないので、メーカーの保守要員が到着するまではこれを頻繁に取得してデータロスを防ぎます。
RAIDディスク交換中にやらかしがあってもいいように、どちらにしてもバックアップを取ることになりますし。

この辺、大規模になってそんなこと現実的に無理な場合はやっぱり保守をがっちり入るのと、そもそものハードウエアをきちんと冗長化(HCIやら外部のバケモノディスクなどを使って)しておけば良いのでしょうね。



2017年8月2日水曜日

Windows 2016 でサーバ構築

Windows 2016 がやってきた

社内で Windows 2016 のサーバを購入することになったので、その構築メモ。
今回の全体像はこんな感じです。

  1. Windows Server 2008、Windows Server 2012 R2 で乱立しているサーバを整理
  2. Active Directory の刷新
  3. BCPを想定した二重化

1. Windows Server の役割見直し

今回の導入にあたり、まず最初に着手したことが、既存のサーバ群の役割整理です。
ドメインコントローラー、ファイルサーバはともかく、各種アプリケーションがいろいろなサーバ上で乱立して動いています。今後は仮想化サーバーで集約する予定のため、継ぎ足しで構築されてきた環境を整理して、安定した運用を見据えて再設計します。


2. Active Directory の刷新

現行の AD は会社がそれほど大きくなかった時点で設計したので、細かな ACL よりは使い勝手を優先しています。
利用者は増える一方、クライアントからのセキュリティ要件が厳しくなる一方なので、その背景に見合ったグループポリシー管理を行うため、Active Directory を再設計します。


3. BCP を想定した二重化

現行のシステムは遠隔地拠点との間で Active Directory のバックアップ運用だけは行っています。また、各種データはクラウド上へバックアップを取っています。
しかし、現状では障害発生時の復旧に時間がかかることが予想されますし、そもそも手順が多すぎます。
もっとユーザレベルでの意識もなく、罹災時にも迅速な復旧ができることを想定して構築する必要性が高まっていました。



今回の構築要件

  • なるべく社内のリソースと技術力で構成する
  • 想定ユーザ数は最大200名前後(平均的には100名以内)
  • 社内LAN内に設置(オンプレミス)
  • メインとバックアップはそれぞれ別拠点でVPN接続
  • 19インチラックマウント型
  • ADサーバは耐障害性をある程度担保、ファイルサーバはスピードと耐障害性をできる限り両立する。

今回のサーバ構成

1. ドメインコントローラー

ドメインコントローラーは Windows 2016 で刷新します。ドメインコントローラーに障害が発生すると社内ネットワークへ一切のアクセスができなくなることもあるため、最低の2台構成です。
ハードウエア自体はデータが消えてしまうと困るのですが、二重化していますし、他の役割を兼務させないので予算との兼ね合いで最低限のスペックで構築します。
今回は DELL PowerEdge R230 を選びました。
電源の冗長性が無いので故障時に停止する必要がありますが、その時は二重化されたドメインコントローラー側にアクセスされるので、どちらかというとコスト重視です。

メイン側は 10,000RPM の SAS HDD で PERC H330 による RAID 1+1(RAID 1の2セット)、サブ側は SATA 1TB で PERC S130 のソフトウエアRAID1です。
予算があればメインとサブは同じ構成がいいと思いますが、今回は検証用でも使ったハードウエアをそのまま本番運用に昇格します。

おおむね200名程度であれば1CPU程度のサーバであれば十分なパフォーマンスが得られるといわれています。

個人的にはうちのような小規模企業レベルであれば、ドメインコントローラーは本社にオンプレミスでサーバ機を1台、バックアップ用として既存の適当なサーバ上で Hyper-V を動かして1台、または余っているPCを専用に流用して1台でも良いかなと。

ふだんアクセスさせないのであればあまりパフォーマンスを意識する必要がありません。PC流用の場合は電源等の信頼性を考慮して夜間は電源切っておいたほうが良いですが、そんな運用ができるのであれば、無理してサーバ機を2台そろえる必要もないのかなと。
(あくまでもバックアップ用途なので、クライアント側からはアクセスさせない。メイン機が完全に故障したときのみアクセスさせる程度で考えています)


2. ファイルサーバー

ファイルサーバはスピードと安定性、コストの兼ね合いから 10K RPM の SAS ドライブで構築します。15K RPMやSSDは魅力ですがまだまだ容量と価格のバランスが(小規模企業には)厳しいので。スピードと容量、安全性を考慮して、今回はディスク6つをRAID 6で運用します。比較的アクセス頻度の高いものをこちらに集約し、アクセス頻度の低いものや部門単独で利用するものは別サーバに分けます。

ディスクの信頼性やスピードについては一般的には SAS > SATA であるといわれていますが、運用の仕方次第でその差を低くできます。
SAS 15K RPM の RAID 1 より、SATA 5400RPM を10台使った RAID10 のほうが(コントローラ等がまともであれば)早いですし、重要なデータを運用するサーバでホットスペア無しで RAID 5 なんて怖いですし。

逆にファイルサーバではメモリやCPUのスペックについてはそれほど不要という意見がありますが、余裕のあるメモリはキャッシュに使われるということもあり、32GB程度積んでおきます。メモリは予算内で詰めるだけ積んでおいたほうがいいですね。
購入や長期リースの場合は、近い将来にファイルサーバを増強・入替なんかが生じた際に、別の用途に流用できる可能性もありますので。
大規模企業や官公庁であれば途中で計画が変わることはほぼ無いと思うのですが、小規模から中小企業レベルであれば3年先に同じサーバで十分な状況は望ましくないですから。

また、集中してアクセスされるサーバであることから、将来性も考慮してネットワークアダプタをインテル 10Gbps のものを増強します。(当面は 1Gbps で運用)


3. ファイルバックアップサーバ

ファイルサーバのバックアップ側です。
予算があればメインと同一の構成にしてミラーしておけば良いですが、コストの問題もあるので、こちらは SATA のディスク中心に構築しています。

故障時には一時的にではあってもメインに格上げされるサーバなので、メインのサーバよりちょっと下のスペックくらいにしておくと万全です。
今回は予算の関係もあり、こちらもテストで使っていたサーバのディスクを入れ替えて流用することにします。

運用イメージとしては本当に最低限の運用ができるように、という感じです。



おおむね上記のような構成で社内ネットワークを作っていきます。

2017年7月27日木曜日

DELL PERC H330 で RAID 設定変更

DELL Poweredge についている PERC H330 の設定を変更したのでメモ。

DELL のオンラインサイトでは、HDD 4台に対して RAID 10 もしくは RAID 5 のような1グループ構成しか選択できない。

個人的にはRAID 5は一つでもディスクが壊れると急に冗長性が無くなるし、次のディスクが壊れてしまうとほぼ修復不能になるので好きではない。
だったらRAID10のほうが良い気もしないでもない。(詳しいパフォーマンス差はよくわからない)

また、PERC H330はキャッシュがないため、そもそもRAID 5には向かないため、これをRAID1 の2グループ構成に変更する。

今回はサーバーをドメインコントローラーにするため、ntds ディレクトリに指定したディスクはキャッシュが効かなくなるため、RAID 10にするよりRAID 1の2ペア構成にしたほうがパフォーマンスがよさそう、という理由。

PREC H330 は BIOS 経由で設定ツールに入ると細かく設定できるのだけれど、今回はサーバの Lifecycle Controller から設定してみる。

※RAID構成を変更すると過去のデータが消えるので、最初にバックアップを取っておく。
※またRAID構成を変更すると出荷時と状態が変わるので保証がややこしくなるため、問題解決に自信がない場合や、ハードウエアの保守を完全に外注化しているような環境だとやらないほうが良いかもしれない。


Lifecycle Controller から RAID メニューを起動


起動時にF10キーを押して、Lifecycle Contoller を起動する。
初期画面の左メニュー一番下の「システムセットアップ」を選択。

右のペインから「ハードウエア詳細設定」を選択。
次の画面では「デバイス設定」を選択。

「RAID Contoller in Slot1: Dell PERC <PERC H330 Adapter> 設定ユーティリティ」を起動。

既存の設定のクリア


「設定管理」ー「設定のクリア」を選択。

設定をクリアしますか?という表示の下に「確認」のチェックボックスがあるので、チェックを入れてから「はい」を選択。

操作が正常に実行されましたという画面が出たら成功。OKを選択。


1つめの仮想ディスクの作成


メインメニューに戻り再度「設定管理」を選択。
「仮想ディスクの作成」を選択。

RAIDレベルの選択では「RAID 1」を選択し、その下の「物理ディスクの選択」をクリック。
リストの上から2つのディスクにチェックを入れる。
(RAID 1 なので 2 つディスクを選べばよい)
「変更の適用」をクリック

操作が正常に実行されました。と表示されるので、OKを選択。

再度元の画面(仮想ディスクの作成)に戻るので、仮想ディスクの名前を適当につけてから、画面下部にある「仮想ディスクの作成」を選択。

※仮想ディスクの名前は必須ではないが、何かつけておくと後でわかりやすい。

仮想ディスクを作成する確認になるので「確認」にチェックを入れ「はい」を選択。

操作が正常に実行されました。と表示されたらOKを選択。



2つめの仮想ディスクの作成


仮想ディスクの作成画面に戻るので、もう一つのグループを作成する。
今回は残りのディスクが2つなので、RAID0かRAID1かどちらかしか選択できない状態になっているので、RAID 1 を選択。

先ほどと同様に「物理ディスクの選択」からディスクを選ぶ。
残りの二つのディスクが表示されているので、両方にチェックを入れ「変更の適用」を選択。

あとは1つめと同様に仮想ディスクの名前を適当につけて進めていく。

すべての登録が終わったら、メインメニューから「ディスクグループのプロパティの表示」を選択して、ディスクグループが二つ(ディスクグループ #0とディスクグループ #1)が表示されていれば完了。


Windowsの再インストール


ディスクグループが変更になったので、Windows を再インストールする。
Windows のインストール場所を選ぶ画面(インストールするパーティションを選ぶ画面)では、以前の設定が残っていることがある。いったんすべてのパーティションを削除して
「ドライブ0の割り当てられていない領域」
にインストールしなおす。

Windowsではインストールしたディスクしか初期化してくれないので、インストールが終わったら、サーバーマネージャーからもう一つのグループを初期化しておく。


これで、デフォルトの RAID 5 から RAID1 を 2 つに変更できました。











2017年7月26日水曜日

DELL iDRAC 8 でリモートアクセス

iDRAC 8 で HTML5 を利用したリモートアクセス。

iDRAC 8のウェブからアクセスするためには iDRAC 8 Enterprise 以上が必要。
Enterprise 以外では帯域外の管理ができない(と思う)ので、サーバルームにサーバをおいておいて、外部から管理する必要がある実運用サーバには必須かと。

仮想コンソールへのリモートアクセスは、デフォルトで java を使うようになっていますが、いまさら JRE をクライアントに入れるのもなんですし、HTML 5でアクセスできるんだから、それでつなごうというわけです。

HTML 5でのアクセスは java プラグインを使ったアクセスに比べて低機能な印象を受けますが、たいていのことは iDRAC 8のウェブからも実行できるので、まぁ日々のメンテナンスなどには十分です。


設定の変更

1. iDRAC 8にログイン
2. 左のメニュー「概要」-「サーバー」を選択
3. 右上あたりの「仮想コンソールプレビュー」の「設定」を選択
4. プラグインの種類を「HTML 5」、キーボード/マウスの連結状態を「自動連結」
5. 右下の適用ボタンをクリックして前の画面に戻る
6. 「仮想コンソールプレビュー」の「起動」をクリック
7. 証明書エラーが出てもそのまま続行
8. リモート接続完了


再起動時にメモリがコケたり、起動順序が間違えていてCDトレイに残したディスクからブートしてしまったなんて時にはこの iDRAC はなかなか便利です。
操作性は java プラグインのほうがまだまだ良い感じではありますが、今後 iDRAC 9 以降ではその差も減ってくるのでしょう。

2017年7月13日木曜日

DELL PowerEdge 14th Generation Servers

Intel がいうところの「ここ10年で最大の進化」である Xeon Scalable Family の発表を受けて、DELL から14世代の PowerEdge が正式発表となりました。

早速 DELL EMC のUSサイトで情報見てみましたが、やっぱりいいですね。
いまのトレンドを全部押さえましたって感じで。

今回いちばん気になったのが、2ソケット1Uサーバの PowerEdge R640。
これまでも PowerEdge シリーズはこの 6x0 シリーズが 1U 最高スペックで、Wave1としてリリースされていたので、今回も予想通りの展開です。

メモリはうちくらいの規模の企業だとそれほど積まないのですが、単体で1.5TBまで詰めるみたいです。高密度サーバなのでメモリどんどん積んでオールフラッシュ、仮想化で詰め込むサーバという感じです。
数百人くらいの規模だと、クラウドも活用したら本社のデータセンターは全部で24Uでいけちゃうんじゃないかと思えてきます。

ドライブは単体で2.5"を12ドライブ(前面10、背面2)、起動ドライブとしてM.2 SSDをRAID構成で組めます。
RAIDコントローラはなぜか従来と同じ H330、H730p が用意されていますが、追加として H740P(8GBキャッシュ。最後の「P」が資料によって大文字だったり小文字だったり、正式名称が良くわからない。)が追加されています。そもそもハードウエアのRAIDコントローラが今後いるのかどうかはあるにしても、RAID 6 あたりが組みやすくなるかもしれません。

オールフラッシュの流れもあり SAS SSD がプッシュされている感じがしますね。
仮想化ホストをたくさん動かすこと考えると、ランダムアクセス性能が圧倒的に高い SSD 中心に組みたくなります。まぁ、全部 SSD だと社内稟議が通らないほど膨大なコストになるため、個人的にはお値段考えて今年の段階では SAS HDD を中心に考えています。
R640は仮想化ホスト前提の作りなので、M.2ドライブやNVMeドライブも結構詰めます。

iDRAC9はまだ実物見てないので何とも。
前評判高いみたいなので、機会を見て DELL のショールームで見てみようかと。
この手の帯域外管理システムは一度使うと戻れません。うちでは新規で購入するサーバは iDRAC Enterprise 以上、PCならば vPro 搭載以外は考えられません。
Windows Update のため遠隔から再起動するときなんて、これらの帯域外管理ができないと、たまたまメモリエラーで起動ストップなんてことになると目も当てられません。
(過去に何度か経験ある)

ネットワークはドーターカード形式なので、Intel 標準にできるのが良いですね。サーバーとして半端ないトラフィックを受け付けるとなると、いまだインテルに一日の長があるように感じています。(感じるだけかも)
5年使う前提で 10GbE 前提の X550 QP でいくか、現実解として X550 DP + I350 DP のコンビにするか。PCI 使わなくても Quad Port までいけます。
仮想化中心であれば、ドーターカードはホストアクセスのために使い、仮想化ゲストは PCIe Gen3 に NIC ばんばん挿してそちらを使えばよいのかと。
10GbE はまだまだスイッチが高いので、1GbE の QP でリンクアグリゲーションして負荷分散というのが小規模企業の現実的なところでしょうか。

VDIの利用が考慮されているのか、NVIDIA NVS310をビルトインすることもできます。
もうこの辺りになってくると Active Directory を導入してフォルダリダイレクトしているようなケースだと、事務職レベルの負荷だと手元にPC要るのかって話です。



超ざっくりですが、Xeon Silver か Gold で 2S 構成にして、メモリ64GB以下、SAS HDD 中心で組んで、OSは Windows Server Standard 構成にすると 120万円~150万円くらいっぽいです。
もう少しメモリ積んで Windows Server を Datacenter にしても250万円でおつり来るくらいなので、5年リースで月額5万円以下。乱立しているアプリケーションサーバを集約するにはいいですね。Windows 10 と RDS のライセンス入れておうちからVPNアクセスのVDIサーバとしてもいいかな。


年末に向けて R440 なども予定されているみたいですし、AMD のアナウンスによれば、EPYC搭載の PowerEdge 出るそうなので、今年後半から来年度にかけては技術交代が目覚ましいことが予想されます。
R3x0/R2x0シリーズはついこの前に Kaby Lake ベースに変わったばかりだから、もう少し後ですかね。この辺も Xeon Bronze もしくは Xeon Silver を中心とした構成になるのでしょうか。個人的にはこのゾーンは逆に AMD が総ナメしてくれても面白いなぁと。


枯れた技術を中心にサーバを構築するならば、現行の 13G サーバはなかなかのお値段で手に入れることができるようです。
Skylake-SP は未知数なところもありますから現行の E5 v4 を買い納めしておくのもいいかもしれません。まぁ、Skylake-SP が安定するころには次の Cascade Lake が見えてきちゃったりしそうなので、やっぱり会社の基本サイクルに忠実に従って、その時点でやや枯れた技術にするほうが安心です。

年末から来年にかけての調達のころには今回の 14th Generation も評価が定まってくることを期待します。

次期ネットワークでは何とか vSAN とか入れたいのですが、もう少し価格下がらないかな。いまのところ3ノードでシステム全体1,500万円前後では手が出ませんが...
(3ノードだとHDDでいうところのRAID5だから、1ノードに障害でたら復旧するまで気が気でなくなってしまう。最低4ノードいるとなると、さすがに厳しい)


HPEさんの10Gサーバはどう出てくるか。

2017年7月7日金曜日

YAMAHAのレイヤ3スイッチとエッジルータ

先月の Interop Tokyo 2017 で参考展示されていた YAMAHA の RTX810 後継ルータの X17(仮称)とレイヤ3スイッチの X18-R。発売がいつになるのか気になりますね。

私が勤める会社では、ルータは主に YAMAHA 製品を使っています。
安定した稼働、日本語サポート、そこそこ多い情報とマニアックな YAMAHA さんのホームページなど中小企業レベルだと十分な感じです。

Azure への接続他、クラウドサービスの接続関連となると、cisco社に一日の長がある感じも受けていますが(AWSについては最近YAMAHAは頑張っている印象)、まぁ、オンプレミス中心に国内複数拠点でVPN組むなんて使い道にはとてもいい感じです。


これまで YAMAHA ではレイヤ3スイッチが無かったため、基幹ネットワークをオールヤマハとしようとするとやたらルータが増える感じでしたが、今後はメーカー統一の運用ができるので期待しています。


また、小規模事業所の真打ルータともいえる RTX810 がバージョンアップされるのは期待度大です。
どうも RTX810 はVPNのスループットが弱かったり、YAMAHA以外のルータと接続する際の接続が不安定になることがあったり、VPN ルータとしてはパフォーマンス的にいまいちな印象があります。

今回 RTX1210 と同じように CPU が PowerPC になったりしたら、ほぼこれで拠点レベルのルータとしては完璧なのではないかと。
個人的にはLANの口が前面に移ったのもありがたい。

YAMAHA のラックマウントキットを使ってルータをラックに収容した場合、差込口が背面にあると指が届かなくて意外と扱いにくい。
前面だと、ケーブルの取り回し設計も楽ですし、抜き差しもしやすいのでこれは改善点ですね。


次回は FWX120 を更新してくれないかなぁ。
社内の内部ルータとしてなかなか使い勝手が良いので、リンクアグリゲーション対応してくれると、ボトルネックを懸念して配置できないところにも道が開けるので。


ここ5年以内くらいに出てくる YAMAHA さんの製品はなかなかツボを押さえていると個人的には思っているので、今回の参考展示が早く発売されないかなぁと思うのでした。

2017年5月27日土曜日

DELL PowerEdge R230 に Windows Server 2016 評価版をインストール(その4:Active Directory ドメインコントローラー)

Windows Server 2016 でドメインコントローラーのセットアップを行います。

前回はドメインコントローラーのセットアップの前に準備することについて説明しました。

今回は
  • ドメイン名: CORPNET.example.net
  • IPアドレス: 192.168.195.11
  • サーバ名: SRV011
という前提でセットアップしてみます。

セットアップ自体はいろいろなサイトで画面付きで細かく説明されているのでここでは簡単にメモを残しておきます。


ドメインコントローラーのセットアップ


Active Directory ドメインサービスのインストール


サーバーマネージャーから「2役割と機能の追加を選択」すると、「役割と機能の追加ウィザード」が開始されます。
「開始する前に」では「次へ」

「インストールの種類の選択」では「役割ベースまたは機能ベースのインストール」を選択し「次へ」

「対象サーバーの選択」ではサーバープールからサーバを選択にチェックが入っていて SRV11 が選択されていることを確認し「次へ」

「サーバーの役割の選択」では「Active Directory ドメイン サービス」にチェックをつけます。

「Active Directory ドメイン サービス に必要な機能を追加しますか?」というウインドウが表示されるので、「機能の追加」をクリック。

もとの画面に戻るので「Active Directory ドメイン サービス」にチェックがついていることを念のため確認して「次へ」

「機能の選択」では何も変更せずそのまま「次へ」

「Active Directory ドメイン サービス」では「次へ」

「インストール オプションの確認」では「必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する」にチェックをつけます。

「自動的に再起動しますか?」という確認画面が出るので「はい」をクリック。
もとの画面に戻ったら「インストール」をクリック。


ドメインコントローラーへの昇格


インストールが終了すると画面の白い部分に「このサーバーをドメイン コントローラーに昇格する」という青文字が出ているので、クリックします。

「配置構成」では「新しいフォレストを追加する」にチェックをつけて、ルートドメイン名を入力する。(今回は CORTPNET.example.net)。入力したら「次へ」

※過去の資料では .local ドメインの利用が例示されてますが、このドメインは MacOS や Office 365 でも内部的に使われていることもあるので、会社のドメインをベースに作成することが現在 Microsoft でも推奨されています。

「ドメイン コントローラー オプション」では
フォレストの機能レベル、ドメインの機能レベルともに「Windows Server 2016」を選択。

※今回は新規のドメインを設定する前提なので Windows Server 2016 を選んでいますが、既存のハードウエアを遠隔拠点のドメインコントローラに追加設定する予定がある場合などは、いちばん古いOSのレベルに合わせます。
例えば、メインのドメインコントローラは Windows Server 2016 だが、バックアップ用のドメインコントローラを既存のハードウエアで後々追加する場合、既存のハードウエアのOSが Windows Server 2012 であれば、フォレストの機能レベル、ドメインの機能レベルは Windows Server 2012 にしておきます。

ドメインコントローラーの機能は「ドメイン ネーム システム (DNS) サーバー」にチェック (グローバルカタログ(GC)は最初からチェックがついている)
ディレクトリサービス復元モードのパスワードは任意(今回はサーバのAdministratorと同じ)
入力したら「次へ」

「DNS オプション」の画面では警告が表示されるが無視して「次へ」

※この警告は今回のDNSが外部から参照される場合は、親のゾーンに関する委任の設定が必要とのこと。Active Directory の構築時にはほかの環境との連動を気にする必要はないので警告は無視しても問題ありません。

「追加オプション」ではActive Directoryのドメイン名に対応するNetBIOS名が表示されるので、そのまま「次へ」

※このNetBIOS名は、先ほど作成したドメイン名の最初のカタマリ(今回でいえば CORPNET)が表示されます。

「パス」の画面ではデフォルトを選択

※Active Directory に関連するファイルの保存場所です。このディレクトリがあるディスクは書き込みキャッシュが無効になるので、他の用途で使っているディスク(例えば共有フォルダとか)を指定しないほうが良いです。
Active Directory のドメインコントローラに使うハードウエアは原則としてほかの用途と共有しないことが原則なので、Cドライブでよいと思います。

インストール前の確認画面が出るので、先ほどまでの内容と違わないか一応確認。

前提条件は▲マークだけでインストールボタンが出ていれば特に問題ないのでそのまま進めます。


正常に構成された場合、自動的に再起動されます。
再起動後、ログインして完了です。